2026/09/26 18:35

いつも「ワンハンド・ピアノスコア」をご利用いただき、誠にありがとうございます。

2026年9月5日(土)、ベヒシュタイン・セントラムザール東京にて、第1回ワンハンド・スコアフェスタ!が開催されました。

前回のブログでは、第1部前半に演奏をしてくださった、1本指の音楽を奏でた月足さおりさんと、1本指作品をご紹介しました。

今回は、第1部後半に演奏された押川憧子さんのご紹介です。


また、本公演は9月28日までアーカイブ配信を行っております。
お見逃しなく👀

配信はこちら↓



第1部
1本指の音楽・月足さおり
右手の音楽・押川憧子


右手の音楽は、これまで歴史がほとんどありませんでした。作品の数も満足にある状況とはいえません。

そんななか、押川さんは東京音楽大学大学院に在学し、右手独奏作品のレパートリーを増やしていく研究を行っています。

押川憧子さんと会場の様子


〜押川さんのプログラム〜
「月夜の丹頂鶴」板村博貴
「右手のための組曲「日向の山々」第一曲尾鈴山、第二曲大崩山」近藤浩平
「神と舞ふー天に歌ひてー」我妻英


押川さん、作曲家の近藤浩平さん、早坂、智内さん


近藤さん、我妻さんの作品は、右手の作品を増やす第一歩として作られました。

また、今年夏から開始した、クラウドファンディング「未来へ継なぐ、右手の曲が欲しい。」は、28日11:00まで支援が可能とのこと。
名前の通り、右手の楽曲を作曲家に委嘱し、新たな作品を生み出していくクラウドファンディングです。
ワンハンド・ピアノスコアも、楽譜制作の面からサポートを行なっています。


押川さんの故郷、宮崎県の夜神楽をテーマに、新たな右手の作品が生まれ、このスコアフェスタでも演奏されたのです。

我妻英「神と舞ふ-天に歌ひて-」楽譜
手書きの譜面です。クラウドファンディングの返礼品にもなっています。


押川さんと作曲家の我妻英さん


板村さんの「月夜の丹頂鶴」は、片手ピアノと片手フルートのために作られましたが、多くの方に聴いていただけるようにとののとで、片手ピアノのために編曲をされた作品です。


楽譜はこちら↓

LHPM025 板村博貴「月夜の丹頂鶴」 | ワンハンド・ピアノスコア OHPS



「「雪原にて凛とした佇まいで月を見上げている一羽の丹頂鶴。」その様な水墨画からインスピレーションを得て今作を書きました。」と解説されています。

板村さんの作品には、水墨画に関連する作品が多いように個人的に感じていますが、今回は「フルートとピアノ」という編成から生まれた独奏曲ということで、より音のイメージが掴みやすいのではないでしょうか。


右手独奏において、軽やかな高音を駆ける音、低音のその1音にかける想いは、左手独奏とは全く違った魅力と役割があるように思います。

左手独奏の場合、演奏の肝は「低音」に置かれ、この音たちによって厚みのある音響が生まれています。

右手独奏も、厚みのある音響という点で、低音が重要なことは変わりませんが、身体の都合上頻繁に低音を弾くことはあまりできません。
右手を左斜め前、左腕のさらにその先へと持っていってみてください。身体を捻ってしまうと思います。逆に、左手独奏においても高音が弾きづらいのです。

この身体的な制約が片手独奏の特徴、そして、制約は両手演奏ではみえなかったピアノの魅力をひき出しました。
その魅力をどんどんと研究、更新、発展させているのが、現在の片手ピアノ作品ともいえます。

新たに生まれた右手の作品と、押川さんの演奏は、右手独奏の新たな世界を開拓しています。


次のblogでは、左手の音楽・智内威雄さんをご紹介します。

(筆者・早坂眞子)